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2010年5月17日 (月)

PC-SDVD/U2Gを分解してみた

音声が出なくなり、奇怪なノイズ音を定期的に発するようになったPC-SDVD/U2Gを分解してみました。

100517pcsdvdu2g01
図1 表面
100517pcsdvdu2g02
図2 裏面

写真は両面基板の表と裏をそれぞれ撮ったものです。左側の端子が映像端子、右側がUSB端子です。
主なICは3個あるようです。もっとシンプルな回路だと想像していましたが、予想以上にごちゃごちゃとチップが載っています。

1枚目の写真の左側から
TECHWELL TW9910 ビデオデコーダーIC
CIRRUS Logic CS5340 音声用ADコンバータIC
・Syntek STK1150 USBインターフェイスIC?

さて、音声関係のトラブルなのでまずは、音声入力(LINE入力)端子からCS5340までの回路を調べてみたところ、こんな接続になっているようです。
Pcsdvdu2g03
図3 入力フィルター回路(推定)

カップリング・コンデンサは「直流成分を遮断して、交流(音声)信号のみを通すためのもの」です。 つまり、音声入力には、音声信号のほかに直流成分(バイアス)が含まれている可能性があるので、それを取り除いて、図4の右側のように音声だけの信号にするためのものです。
Pcsdvdu2g04
図4 カップリングコンデンサの原理

しかし、一般にADコンバータの入力には電源電圧の範囲内の信号を入れる必要があります。CS5340の場合、グランド(0V)からアナログ用電源電圧(VA)までの範囲の信号を入れる必要があります(正しくデジタル変換するためにはさらに狭い範囲に収める必要があるようです)。
従って、図4の右側のような信号を入れてしまうと、音声波形の上半分だけしかデジタルに変換できません。 それどころか、CS5340の絶対定格を読むと、アナログ入力の電圧範囲は GND-0.7V以上、VA+0.7V以下となっています。この範囲を超えた電圧を入れると壊れてしまいます。

そこで、図5のように抵抗値が同じ抵抗を使った分圧回路を加えて、
Pcsdvdu2g06
図5 バイアス点を決める分圧回路

音声信号が0~VAのちょうど真中のVA/2を中心とした波形になるように調節しなければならないはずです。
Pcsdvdu2g05

ところが、図3に示したようにPC-SDVD/U2Gにはそのような抵抗が見当たりません!!?これは一体どういうことなんでしょうか?

さらに、AN249 CS5333からCS5340へのデザイン変換 のガイドラインを読むと、CS5340の一世代前のCS5333では、内蔵の自己バイアス回路があるので、図3のような回路でも自動的にVA/2までバイアスされるようです。
 一方、CS5340にはそのような機能はないようで、図5のように抵抗を使った分圧回路を加える必要があるようです。さらにCS5340では、低インピーダンスなフィルタ回路を要求するので、オペアンプを使ったアクティブなフィルタ回路を用いることを推奨しています。
 図5のようなパッシブなフィルタ回路でも動作しますが、性能をフルに発揮できないと書かれています。

ということで、PC-SDVD/U2Gは、使用しているチップのデザインガイドラインを無視して設計しているように思われます。 ただし、回路動作中のアナログ入力端子の電圧を測ったところ1.6V程度あったので、VA/2にバイアスはされているようです。これは謎です。もしかするど、どっかに分圧回路があるのかもしれません・・・

と思って、アナログ入力端子とGNDとの間の抵抗値をテスターで測ってみたら4MΩ以上ありました・・・・ うーん、どうしてこの回路で正常に動くのでしょうか? 謎です。

追記:その後、オシロでアナログ入力の電圧を測ってみましたが、バイアス電位がふらついているのを確認しました。CS5340は内部にハイパスフィルターが入っていて、直流バイアス成分を取り除いてデジタル変換できるようなので、このようにバイアス電位が変動しても正しく変換できるかもしれません。

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